除菌・消毒
2018.04.27

湿気の多い時期は防カビ対策で感染症を予防!

家の中に発生するカビには、わたし達のからだに感染して人体に悪影響を及ぼすものがいます。カビの感染を防ぐために家の中のさまざまな場所の防カビ対策は欠かせません。カビの発生しやすい場所と防カビ対策を解説します。

監修医師

監修 内科医 公衆衛生医師  成田亜希子 先生

少し古びた洗面台の蛇口

日本の夏は気温も湿度も高く、カビの繁殖が気になりますよね。カビは真菌という菌の一種で、真菌の中には毒素を産生して中毒を起こしたり、アレルギー反応を起こしたりするものがあります。そのほかにも、からだにさまざまな症状を起こす感染症の原因となることがありますので、家の中でしっかり防カビ対策をして感染症にかからないようにしましょう。

家の中でカビの発生しやすい場所と防カビ対策

梅雨から夏にかけての時期は、家の中のいたるところにカビが生える可能性があります。感染症やアレルギー、中毒などの健康被害を防ぐには、家の中でカビが生えないように対策を行わなければなりません。カビが生えるには、次の3つの条件が必要です。

  1. 栄養分(食品、皮脂などのたんぱく質、ホコリなど)
  2. 温度(25~30℃)
  3. 湿度(65%以上)

では、家の中のどのような場所に3つの条件がそろいやすいのか、その対策法を合わせてご紹介します。

お風呂場・洗面所

お風呂場や洗面所は大量のお湯を使用し、家の中で最も気温と湿度が高くなる場所です。また、カビの栄養分となる石けんカスや洗い流した皮脂や髪の毛などが多くあり、カビが生えるのに最適な環境です。特にゴムパッキンやタイルの隙間、洗面器や椅子の裏など水分が溜まりやすいところに多く生えます。

発生しやすいカビは、アレルギーの原因にもなる黒カビです。一度生着すると完全に除去するのが困難です。他にも、青カビや赤カビなどお風呂場や洗面所には多くの種類のカビが生える可能性があります[1]。

防カビ対策
防カビ対策で最も大切なのは、たまった湿気を排出する十分な換気です。使用後は最低でも二時間は窓を開けて換気をしましょう。
また、換気扇は24時間つけておいてもよいです。浴室乾燥機能がある場合には積極的に利用することをおすすめします。

最近では、くん煙剤などのカビを防止するための便利な商品も販売されています。

キッチン

キッチンは、蛇口からの水滴や鍋からの蒸気で湿度が高くなります。また、コンロやIHを使用するので気温が高くなり、食品の残骸があるため、カビが繁殖しやすい環境です。食洗器やシンク、流しの下などの水分と汚れの多い場所には黒カビや赤カビが生えやすくなります。また、冷蔵庫の中も食品に発生するカビが繁殖しやすく、青カビやコウジカビ、カワキコウジカビなどが挙げられます。

防カビ対策
料理や洗い物をしているときは換気扇を回すことで空気の流れを作り、湿気を取り除くことができます。
湿気がこもりやすい流しの下は、定期的にドアを開けて換気したり、除湿剤や乾燥材を使用するのもおすすめです。

シンクや冷蔵庫は汚れがこびり付かないように拭き掃除をし、除菌スプレーや酢酸・クエン酸をうすめた液体で消毒をするとよいです。

食品は消費期限が切れるとカビが発生しやすくなります。冷蔵庫内の食品の管理には注意しましょう。

靴入れ

靴入れは密閉された構造なので湿度が高く、靴自体にも汗や雨水などの水分を含んでいます。このため、靴入れ内の湿度は70%程度となります。また、靴には様々な汚れが付着しており、カビの大好物である皮脂などが多く存在します。特に使用してすぐの靴をそのまままの状態でしまったり、靴入れの中で長期間靴を入れっぱなしにしているとカビが生えやすくなります。

防カビ対策
定期的に靴入れのドアを開けて換気をし、除湿剤や乾燥材などを活用しましょう。
使用した靴はそのまま入れず、ムレが十分に取れてからしまいましょう。

極端に汚れている靴は洗浄するとよいでしょう。

カーテン、カーペットなどの敷物

窓の結露によって窓周りは湿度が高くなり、カーペットなどの敷物の下は通気性が悪く、湿気が籠りやすい場所です。また、カーテンや敷物にはホコリが溜まりやすいため、カビが生えやすい環境となります。

防カビ対策
室内の湿度を適度に保つのはもちろんのこと、窓の結露をこまめに拭いたり、敷物を定期的に天日干しするなどの対策が必要です。
ホコリが多いところではカビが生えやすくなるため、床や窓のサッシなどにホコリが溜まらないように注意しましょう。

エアコン

エアコンの内部はカビの生育に必要な栄養分、温度、湿度がそろっています。エアコンはカビの胞子やホコリなどの汚れがたまりやすく、内部は室内よりも高温になります。また、内部は結露しやすく、ムレた状態になっています。特に、エアコン内では肺真菌症の原因となるアスペルギルスが増殖することがあるので注意しましょう。

防カビ対策
エアコンの内部を清潔に保つことが必要です。ホコリをキャッチするフィルターは一週間に一度は掃除機や水拭きで汚れを除去します。
シーズンごとにカバーやフィルターを取り外して、専用のクリーナーで内部の隅々まで洗浄することも必要です。

洗浄後はしっかりと自然乾燥させることも忘れてはなりません。

大型家具の裏

ベッドやソファー、たんすなどの大型家具の裏は湿気とホコリが溜まりやすいため、カビが生えやすい場所です。カビは木材も栄養分にするため、木製の家具は特にカビが生えやすくなります。しかも、これらのカビは、家具を移動しない限り目に触れることはないので、気づかない内に大繁殖していることもあります。

防カビ対策
大型家具は風通しの悪い場所は避け、移動しやすい場所に設置することが大切です。
壁にぴったりつけると風通しが悪くなるので、壁から5cm以上開けて設置するとよいでしょう[2]。

設置前には防カビスプレーなどを噴霧し、半年に一回は家具を移動して壁や床との間にたまった湿気を追い出しましょう。

壁との隙間やベッド下などにたまったホコリは、細い掃除道具などで工夫して取り除き、常に清潔な状態を維持しましょう。

布団

私たちは一晩で約100㏄程度の汗をかいており、多くは布団に吸収されています。汗は水分だけでなく、カビの好物である皮脂やフケなどを多く含みます。また、布団の中に潜んでいるダニの死がいもカビの栄養素となります。このため、布団はカビが生えやすく、シーツで隠されているため、カビの発生に気づかないこともあるので注意しましょう。

防カビ対策
布団にこもった湿気を取り除く最も良い方法は天日干しです。天気が良い日は定期的に天日干しをしましょう。☆梅雨時などで長く天日干しできない日が続いた時には、布団乾燥機の使用をおすすめします。
布団に湿気をこもらせないように、湿気は床に直置きするのではなく、すのこや通気性の良いマットレスの上に敷くとよいでしょう。

布団の汚れを取り除くには、布団用掃除機で吸い取ったり、天日干しでの布団たたきなどがおすすめです。

半年に一度は洗濯をして、たまった汚れを洗い流しましょう。

押入れ・クローゼット

押し入れやクローゼットは締め切りにしていることが多く、内部の湿度は高くなりがちです。また、ホコリが溜まりやすく、収納している衣類や布団などにカビが生えると、あっという間に大増殖することもあります。

防カビ対策
定期的にふすまやドアを開けて換気しましょう。また、除湿剤や乾燥材の活用もおすすめです。
収納するものは直に置かず、すのこなどを敷くと風通しがよくなります。

衣類などは皮脂汚れがなく、乾燥した状態で収納しましょう。収納ケースには防カビ剤や乾燥剤などを入れると、予防効果が高まります[2]。

防カビ対策は湿気とホコリの除去が重要

カビは家の中のいたるところに生える可能性があります。カビの予防として大切なのは、湿気とホコリなどの汚れを取り除いて、カビが好む環境を作らないことです。どのような場所でも、換気と丁寧な掃除を徹底し、カビのない家づくりを目指しましょう。

参考文献

  1. [1]尾上孝利ほか. 一般家庭の浴室におけるカビ防止のための湿気管理法, 太成学院大学紀要 2008; 10: 19-29
  2. [2]東京都福祉保健局. "住居とアレルギー疾患" 東京都アレルギー情報navi. http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/allergy/pdf/indoor06.pdf(参照2018-04-12)

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