除菌・消毒
2018.03.26

インフルエンザウイルスの除菌・消毒方法

インフルエンザウイルスの感染を予防するためには、どのように除菌や消毒を行うべきなのでしょうか。ここでは、インフルエンザウイルスの特性からウイルスの弱点を解説し、効果的な除菌・消毒方法について紹介します。

インフルエンザの感染対策アイテムとして、消毒や除菌用の製品がたくさんあります。オフィスやお店、そのほかさまざまな施設で消毒アルコールが置いてあるのを見かけたことがある方は多いのではないでしょうか。ここでは、どんなときに消毒や除菌をすることでインフルエンザ感染を予防できるのか効果的な除菌・消毒方法を解説していきます。

インフルエンザウイルスの弱点

インフルエンザウイルスはエンベロープと呼ばれる膜をもつタイプのウイルスです。インフルエンザウイルスの弱点を語るうえで、このエンベロープをもつ・もたないが大きく関係します。まずはウイルスがどういう構造になっているかを簡単に解説します。

ウイルスの構造はどうなっている?

細胞内に核酸(DNAまたはRNA)という遺伝情報やたんぱく質の合成に関わる働きを持つ物質をもち、それをカプシドというたんぱく質の殻で包んでいます。さらにカプシドの外側を膜状に包んでいるタイプのウイルスがエンベロープをもつウイルスです。インフルエンザウイルスのほかにも、麻疹(はしか)ウイルスやヘルペスウイルスなどが該当します。エンベロープがないウイルスとしては、ノロウイルスやロタウイルスなどがあげられます。

エンベロープはアルコールに弱い

最初に述べたとおり、インフルエンザウイルスはエンベロープをもつウイルスです。エンベロープを合成している物質は脂質が大部分を占めているので、脂質を溶かす性質があるエタノール(消毒用アルコール)などはエンベロープを破壊することができます。つまり、インフルエンザウイルスをはじめエンベロープをもつウイルスはアルコールに弱い性質をもちます。

そのほかの弱点

そのほか、寒くて乾燥した場所を好み、温かくて湿度の高い場所には弱い特性があります。日本では冬にインフルエンザが流行するのは、寒くて乾燥した環境でインフルエンザウイルスが活性しやすいというわけです。逆に、高温多湿の環境ではウイルスの活性量が減ることが報告されています[1]。

インフルエンザウイルスの弱点まとめ

  • アルコールに弱い
  • 熱に弱い
  • 多湿に弱い

インフルエンザ予防のための消毒・除菌は何をするべき?

まだ身近にインフルエンザに感染している人はいないけれど、予防のために消毒・除菌したい場合はどのような消毒・除菌方法があるでしょうか。

手洗いとうがい

人が多い場所にでかけたりすることでウイルスが付着してしまう可能性があります。ウイルスが体内に入らないようにするため、外出から戻ったときは手洗いとうがいをすることで除菌になります。食事をする前も忘れずに手洗いをしましょう。すぐに手洗いができないときのために、携帯できる除菌・消毒用のジェルやシートを活用したり、でかけた場所によっては消毒用アルコールが設置されている場所もありますので、これらを利用したりしましょう。

インフルエンザに感染している人が身近にいる場合の消毒・除菌

家族がインフルエンザにかかってしまったなど、すでにインフルエンザウイルスが感染しやすい状態のときは、以下にあげる除菌・消毒方法を行いましょう。

看病した後は手洗いを徹底

インフルエンザにかかった人を看病することは、それだけウイルスに接触する可能性も高くなります。ウイルスを含んだ飛沫などにいつのまにか触れていることが考えられるため、看病したあとなどはこまめに手洗いをすることで、自分の感染予防だけでなくほかの家族への感染防止にもなります。

空気の入れ替えによる除菌

インフルエンザに感染した人がいる家の中を密閉状態にすると、その空間内にウイルスが増えていきます。ウイルスの除去には換気して空気を入れ替えることが有効な除菌方法です。2~3時間に1回換気をすることが推奨されています[2]。

最近は、空間除菌を目的とした製品も多く見かけるようになりました。空間除菌について詳しくは『空間除菌の効果・仕組み』をご覧ください。

家の中のよく手を触れる場所の除菌・消毒

家の中のドアノブ、テーブルや椅子など、人がよく触ると考えられる箇所はこまめに除菌や消毒を行いましょう。他にもくしゃみや咳の飛沫と思われるものは、除菌するようにしておくとよいでしょう。市販されている消毒・除菌用のスプレーやシートを活用したり、水拭きするだけでも一定の除菌効果があります[1]。

また、タオルの共用も接触感染につながる可能性が高いため使い分けするようにしましょう。インフルエンザに感染した人のタオルをわざわざ消毒液に浸すなどはしなくても通常の洗濯で大丈夫です。

インフルエンザに感染した人の感染拡大を防止する意識も大切

インフルエンザにかかった、またはかかったかもしれない人は周囲への感染拡大を防止する意識をもちましょう。これを咳エチケットといいます[3]。

咳エチケット
咳やくしゃみをするときは、ティッシュで口と鼻をおさえ、他の人から顔をそらす。
使ったティッシュは、その辺に置いておくことなく直ちにゴミ箱に捨て、可能であれば口を縛る
咳やくしゃみ等の症状のある人は必ずマスクを着ける
咳やくしゃみをおさえた手、鼻をかんだ手は直ちに洗う

参考文献

  1. [1]東京都健康安全研究センター. "ビル利用者のインフルエンザの予防について 建築物衛生のページ" 東京都健康安全研究センター. http://www.tokyo-eiken.go.jp/k_kenchiku/bldg/yobou/(参照2018-03-13)
  2. [2]東京都健康安全研究センター. "インフルエンザ予防のための加湿・換気対策" 東京都健康安全研究センター. http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/archive/issue/kouhoushi/health/24.pdf(参照2018-03-13)
  3. [3]厚生労働省. "インフルエンザQ&A" 厚生労働省. http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html(参照2018-03-13)

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