一般的な感染予防
2018.03.26

インフルエンザの予防・対策|どんな方法?薬や食べ物で予防できる?

インフルエンザの予防は、まずインフルエンザウイルスを体内に入れない、もう1つはウイルスが体内に入っても発症や重症化を抑えることです。具体的な予防方法についてドクター監修のもと詳しく解説していきます。

インフルエンザを予防したいと思ったとき、大きく2つの考え方に分けられます。1つ目は、インフルエンザウイルスを体内に入れないこと。2つ目はウイルスが体内に入っても発症を抑えたり重症化しないようにすることです。これらを詳しく解説していきます。

まずはインフルエンザウイルスを体内に入れないこと

ウイルスは目に見えないため知らない間にウイルスが付着した場所に触れ、そこから体内に入り込んでしまうことがあります。例えば電車の中で、インフルエンザにかかっている人がくしゃみやせきをし、その飛沫が付着したつり革やてすり等を握った手でそのまま食事をしたり、口元に触れたりすることでウイルスが体内に入る可能性もあります。感染しないためには下記のことを実施しましょう。

  • 外出中のマスク着用
  • 手洗い
  • 空気中のウイルス除去
  • 室内の加湿

外出中のマスク着用

せきやくしゃみからの飛沫によって感染する恐れがあるので、インフルエンザが流行する時期は、ある程度飛沫感染を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用しましょう。不織布マスクとは、繊維あるいは糸などを織ったりせず、熱や化学的な作用によって接着させて布にしたものを使用しているものです[1]。ドラッグストアやコンビニエンスストアでも販売しています。

手洗い

流水や石鹸による手洗いは手指についたインフルエンザウイルスを除去するために有効な方法です。インフルエンザだけでなく接触や飛沫感染などでかかる感染症を対策する基本となります。流水で手洗いができないときは、アルコール消毒液による手や指の衛生も効果があります[1]。

空気中のウイルス除去

インフルエンザにかかった人がくしゃみや咳をした後には、空気中に長時間ウイルスが残っている可能性があります。室内が密閉状態ではその中でウイルスが増えていきますので、定期的に換気することでウイルスを減らすことができます。2~3時間に1回を目安に換気するようにしましょう[2]。

室内の加湿

インフルエンザウイルスは寒くて乾燥した気候に強い特徴があります。また、空気や部屋が乾燥すると、のどや鼻の粘膜も乾燥し、ウイルスの侵入を防ぐ防御機能が低下するため、インフルエンザにかかりやすくなります。インフルエンザの流行する冬場は空気も乾燥しており、エアコンの使用などで室内も乾燥しやすい環境になります。加湿器や部屋干しで適切な湿度(50~60%)を保つようにしましょう。加湿器はカビやホコリがたまりやすいので、こまめに掃除をしましょう[1]。

インフルエンザの発症を抑えたり重症化しないようにする

ウイルスが体内に入らないよう気をつけていても完全にシャットアウトできるわけではありません。もしウイルスが体内に入ってしまったとしても発症を抑えたり、重症化するリスクを下げたりすることは可能です。それには、インフルエンザの予防接種を受けましょう。

インフルエンザの予防接種を受けておくべき理由

インフルエンザの予防接種は受ければ完全に感染を予防できるわけではありませんが、受けておくと発病する確率や重症化を防ぐことができます。また、体質やアレルギーによって予防接種を受けることができない方の感染リスクを下げることにもつながりますので、予防接種は受けるようにしましょう。予防接種は65歳以上の高齢者については34~55%の発病を抑制し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています[1][3]。

インフルエンザの予防接種の効果について、詳しくは『インフルエンザの予防接種の効果とは?A型・B型で症状に違いはある?』をご覧ください。

インフルエンザウイルスは毎年性質が変化して流行するため、予防接種は毎年受けるようにしましょう。一般的には、65歳以上の方は1シーズン1回の予防接種で効果がありますが、インフルエンザウイルスの型に大きな変異がある年には、2回接種することが必要となります[3]。

からだの抵抗力を高めておくことも大事

体内にウイルスが入らないよう心がけ、予防接種も受けておいたけれどインフルエンザにかかってしまったということはありえます。疲労で体力が落ちていたり、別の病気にかかっていたり、ストレスを抱えたりすることでからだの抵抗力が弱まっているとインフルエンザにかかりやすくなります。ここでは抵抗力を高める方法を紹介します。

しっかり休息を取る
疲れや睡眠不足などでからだの抵抗力は落ちやすくなります。自律神経のバランスを保つためにも休息を取るようにしましょう。眠れなくても体を横にして休みましょう。
バランスの良い食事
忙しくてきちんと食事がとれず十分に栄養摂取ができなかったり、手早く食事をすませるために加工食品やインスタント食品などに偏ると栄養バランスが乱れます。主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、果物とバランスよく食べることが大事です。食事を作る時間が取れず、スーパーやコンビニのお弁当やお惣菜などを利用するときもこれらのバランスを意識するようにしてみましょう。
乳酸菌入りの食べ物・飲み物
善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)には、からだの免疫力を高める効果が報告されています。腸内の善玉菌の割合を増やすには、ヨーグルトや乳酸菌飲料などの食品を摂取しましょう。継続して摂取すると効果的なので毎日続けて摂取しましょう[4]。
体温を下げない
平均体温が1℃下がると免疫力は37%下がる、逆に1℃上がると60%活性化すると言われるように体温の維持はからだの抵抗力に重要なはたらきをしています。重ね着や適宜暖房器具を使うなどからだを冷やさないようにしましょう。お風呂に入るときは、シャワーだけでなく湯船につかることで、からだを温めるほかリラックスすることにもつながります。

インフルエンザを予防する薬はある?

家族に受験生がいるなど、どうにかインフルエンザにかからないように予防できる薬がないかと思う気持ちにもなりますよね。しかし、通常は予防薬の投与を認められることはありません。予防薬は十分な感染防止策を行わずにインフルエンザにかかった人の看病などで濃厚に接触した方や、インフルエンザにかかった場合に重症化することが予想される方を対象としています[5]。

参考文献

  1. [1]厚生労働省. "インフルエンザQ&A" 厚生労働省. http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html(参照2018-03-09)
  2. [2]東京都健康安全研究センター. "インフルエンザ予防のための加湿・換気対策" 東京都健康安全研究センター. http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/archive/issue/kouhoushi/health/24.pdf(参照2018-03-09)_
  3. [3]インフルエンザ予防接種ガイドライン等検討委員会. "インフルエンザと予防接種" インフルエンザ予防接種ガイドライン等検討委員会. http://www.mhlw.go.jp/topics/bcg/tp1107-1f.html(参照2018-03-09)
  4. [4]清水純. "腸内細菌と健康" e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html(参照2018-03-09)
  5. [5]新型インフルエンザ対策推進本部. "新型インフルエンザの診療等に関する情報について" 厚生労働省. http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002n2pk-att/2r9852000002n2zg.pdf(参照2018-03-09)

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