一般的な感染予防
2018.03.26

インフルエンザ感染予防に適切な湿度とは?おすすめの加湿方法

インフルエンザの感染予防としてお部屋の湿度を適切に保つことは効果的な予防法の1つです。適切な湿度とは何%なのか、また、インフルエンザ予防に有効な加湿方法についてドクター監修のもと説明していきます。

監修医師

監修 マブチメディカルクリニック 院長  馬渕知子 先生

インフルエンザの感染予防に加湿が良いと聞いたことがある人は多いと思います。実際、インフルエンザウイルスは湿度に弱いので、加湿することは感染予防の1つとして有効な方法です。では、どのくらい加湿するのがよいのでしょうか。インフルエンザ予防に効果的な湿度の保ち方を解説していきます。

インフルエンザ予防に有効な湿度と温度

インフルエンザウイルスは寒くて乾燥した気候に強い特徴があります。また、空気が乾燥した状態が続くと、のどや鼻の粘膜も乾燥するためウイルスの侵入を防ぐ防御機能が低下し、感染しやすくなります。そのため、日本では冬季にインフルエンザが流行します。裏を返すと、インフルエンザウイルスは暑くて湿度の多い環境には弱いということです[1]。湿度を与えることに加え、温度の管理も大切になってきます。

湿度は50%~60%、温度は20℃~23℃程度を保つ

インフルエンザウイルスの生存率と湿度・温度の関係を調査した研究結果[1]によると、温度22℃で湿度20%のとき、7割近くのウイルスが生存しています。同じ22℃で湿度が50%になると、ほとんどのウイルスは生存できなくなります。しかし、湿度が70%以上になると今度は結露やカビ、ダニの発生につながるため、湿度は50%~60%をキープすることが適切といえます。

温度について、厚生労働省の「2012年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン」で、冬季の適切な室温として20℃~23℃の記載がありますので、これを目安にすると良いでしょう[2]。

インフルエンザ予防におすすめの加湿方法

上記の通り、湿度50%~60%をキープします。湿度計や、スマートフォンのアプリでも湿度計測できるものがありますので、それらを活用して湿度を管理しましょう。湿度50%以上に加湿する方法としては、加湿器の利用がおすすめですが、加湿器がない場合の加湿方法も紹介します。

加湿器を使って湿度を保つ方法

長時間、安定して維持するには加湿器が有効です。加湿器にはいくつかタイプがあるので、ここではそれぞれの特徴を解説します。

スチーム(加熱)式加湿器
水をヒーターで加熱して蒸気を噴出して加湿するタイプ。沸騰させるので煮沸効果で加湿器内からの菌は繁殖しにくい特徴があり、加湿パワーも高く、室温にも影響を与えにくいものが多い。熱い蒸気が出るのでやけどに注意。
気化式加湿器
フィルターに水を含ませて、風を送ることで加湿するタイプ。加湿パワーはほかのタイプに比べて弱めで、室温を下げる影響が出るものもある。音の静かなものもあり、やけどの心配はない。
超音波式加湿器
水を超音波で振動させて細かい粒子にして噴出し加湿するタイプ。加湿パワーもあり、アロマオイルで香りが楽しめるタイプやLEDライトが点くタイプなどインテリアとしてもおしゃれなものが多い。室温を下げる影響があり、こまめに手入れが必要。(細菌やカビが一緒に噴出してしまうため。)
ハイブリッド加湿器
スチーム式と気化式のいいとこどりをしたタイプ。加湿パワーがあり、室温に影響を与えにくい。スチーム式よりは安全性は高い。本体価格や電気代は高め。

それぞれメリット・デメリットがあり、何を優先するかは個人によって異なりますので、加湿器選びをするときは家電量販店のスタッフなど詳しい方に聞きながら、自分に合ったタイプを選ぶようにしましょう。

加湿器がないときの加湿方法の一例

加湿器がないときは室内で洗濯物を干す、いわゆる部屋干しが加湿効果があるといわれています。部屋干しの加湿効果を調査した研究があるので、その検証結果を紹介します[3]。

【部屋干し条件】

  • 時間帯:朝
  • 外気温度:4.5℃
  • 暖房設定温度:23℃
  • 部屋干しする部屋:12畳のリビング
  • 洗濯量:2kg(子どもを含む家族4人の1回の選択量を想定)
結果
概ね80分以内は湿度50%付近をキープできる

部屋の密閉はNG!適度な空気の入れ替えも大切

外の乾燥した空気を入れることは良くないと思う人もいるかもしれませんが、インフルエンザの予防法として換気は推奨されています[4]。その理由は室内のウイルスを外に排出できるためです。2~3時間に1回喚起を行い、閉めている間は加湿してウイルス対策をしましょう。

参考文献

  1. 1. HARPER GJ. Airborne micro-organisms: survival tests with four viruses., J Hyg. 1961; 59(4):479-486
  2. 2. 厚生労働省. "2012年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン" 厚生労働省. http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/hoiku02.pdf(参照2018-03-07)
  3. 3. 山下絢也. 室内発生水分を用いた湿度環境調整に関する研究, 日本建築学会環境論文集 2011; 76(665): 595-600
  4. 4. 東京都健康安全研究センター. "インフルエンザ予防のための加湿・換気対策" 東京都健康安全研究センター. http://www.tokyo-eiken.go.jp/files/archive/issue/kouhoushi/health/24.pdf(参照2018-03-07)

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