一般的な感染予防
2018.03.26

除菌スプレーの効果|赤ちゃんにも大丈夫?

身の回りの除菌に便利に活用できる除菌スプレー。最近はメーカー各社からさまざまなタイプのものが登場しており、どれを選べばよいのか迷うこともありますよね。ここでは、除菌スプレーの使い方や成分ごとの効果、使用上の注意点などを解説します。

監修医師

監修 マブチメディカルクリニック 院長  馬渕知子 先生

感染症が気になる季節や、「水拭きだけではなんとなく不安」というときにシュシュッと吹きかけるだけで使える除菌スプレー。最近は携帯に便利なミニボトル入りの商品も多く、外出先やレジャーシーンでも使われるようになってきています。この記事では、除菌スプレーの種類や使用上の注意点などを中心にご紹介します。

除菌スプレーはこんなときに便利

除菌スプレーは日常のさまざまなシーンで使われているほか、菌やウイルスが気になる季節の予防対策としても使われています。主な用途には、以下のようなものがあります。

毎日のお掃除の仕上げに
食卓やキッチン周り、ドアノブなど、家じゅうさまざまな場所の除菌に。冷蔵庫・電子レンジの庫内の除菌や、家族みんなで使うリモコンやキーボードの除菌にも便利です。
汚れやにおいが特に気になる空間に
トイレなどのサニタリー空間や、においがこもりやすい下駄箱、ゴミ箱や生ゴミ入れなどにサッと吹きかけて除菌・消臭。
洗えない布製品や、赤ちゃんのおもちゃに
カーテンやカーペットなどのファブリックはもちろん、汗やにおいが気になるスニーカーやスポーツ用品・カー用品などの除菌・消臭に。また、種類や使い方にもよりますが、赤ちゃんが触れるぬいぐるみやベビーカー、チャイルドシートなどに活用できるものあります。
感染症の感染拡大対策
インフルエンザやノロウイルスが流行している季節は、感染者の飛沫や吐しゃ物がついた部分の清掃をはじめ、菌やウイルスがついていそうな場所の除菌に活用できるものもあります。ただし使用されている成分によって作用や効果が違うので、感染症対策に向いているかどうか確認することを忘れずに。

除菌スプレーの成分と主な用途

ひとくちに除菌スプレーといっても、最近はアルコールだけでなくさまざまな成分を配合した商品が登場しています。代表的なものをご紹介します[1]。

アルコール・エタノール

「アルコール」とは、エチルアルコール、プロピルアルコールなどアルコール類の総称です。成分表には「エタノール」や「イソプロパノール」と明記されていることもあります。濃度40%以上で殺菌作用が現れ、特に75~80%の高濃度アルコールになると病原性大腸菌やサルモネラ菌、黄色ブドウ球菌などの細菌やインフルエンザウイルスなど一部のウイルスに対して殺菌効果があります。ただし、ノロウイルスにはあまり効果がありません。

お酒と同じ成分ですので、食品を扱うキッチンまわりや肌が直接触れる部分に使用しても比較的安全です。ただし、引火しやすい性質を持っていますので、取り扱いには注意しましょう。また、敏感肌の方や赤ちゃんが手に取りやすい場所や物への使用は、注意されるとよいでしょう。

次亜塩素酸ナトリウム

次亜塩素酸(HCIO)を主成分とする塩素系の消毒剤です。低濃度でも即効性のある殺菌作用があり、細菌からウイルスの除去まで幅広く使用することができます。特にノロウイルス感染者の吐しゃ物や便を処理した後の消毒に用いられることで知られています。

塩素系の薬剤なので、酸性の洗剤などに混入すると有毒なガスが発生します。また、金属や布製品に使用すると腐食や色落ちを起こすこともあります。手指に使用すると手荒れを起こすことがあります。

二酸化塩素

二酸化塩素ガス(CIO2)は次亜塩素酸ナトリウムよりも強い酸化作用を持つ成分で、主に水道水やプールの殺菌や、小麦粉の漂白などに使用されています。菌やウイルス、カビに対し二酸化塩素分子を反応させることで、その働きを封じ込める働きがあります[2]。

次亜塩素酸ナトリウム同様に腐食や色落ちを起こすことがあるので、金属や布製品に使用するときは注意が必要です。また、誤食・誤飲に注意し、呼吸や鼻から吸引する可能性のある使い方は避けましょう。

第四級アンモニウム塩

成分表示では「ベンザルコニウム塩化物」「ベンゼトニウム塩化物」などと書かれており、タンパク質などを変性することで殺菌効果を発揮します。石鹸の一種ですが、一般的な洗剤や石鹸と一緒に使用すると効果が弱まる性質があります。

頻繁に使用することで接触皮膚炎を引き起こす例などが報告されていますので、人体には直接使用しないようにしましょう。また、物の除菌をする際も吸引しないよう気をつけましょう。

除菌スプレーの使い方と注意点

除菌スプレーはほぼ毎日使うものなので、正しい使用法を守ることも大切です。ここでは、選ぶポイントや使用方法、注意点などをご紹介します。

選ぶときは成分をしっかりチェック

除菌スプレーの中には、詳細な成分が記載されていないものもあります。できれば成分や配合濃度をチェックし、その性質や使用方法をきちんと把握しておきたいものです。どんな菌やウイルスに対して効果があるのか、使いたい場所や物は何かなど、優先順位の高いものを選びましょう。

塩素系の成分を配合した除菌スプレーは、他の溶剤と混ぜると有毒なガスが発生することがあります。また、アルコール系の除菌スプレーを使うときは、周囲に火の元がないかどうか気をつけましょう。

使用する前に汚れは落としておく

除菌スプレーなどの除菌剤は菌やウイルスには効果を発揮するものの、一般的な汚れを落とすことはできません。油汚れや泥汚れ、手垢などは汚れの種類によって界面活性剤入りの洗剤や石鹸を使って、あらかじめ落としておきましょう。

赤ちゃんがいるときの対応

赤ちゃんは菌やウイルスへの抵抗力が弱く、また、手の届くところにある物をなんでも口に入れてしまうため、身の回りをできるだけ除菌をしておきたいものです。しかし、除菌スプレーのなかには、赤ちゃんや小さな子供にとって刺激となる成分も含まれることがあります。除菌スプレーを始め除菌剤を使用する際は換気を行い、赤ちゃんが触れる前にしっかり揮発・乾燥させるようにしましょう。また、除菌剤の成分によっては赤ちゃんが手に触れる場所や口に入れてしまう物への使用は避けた方が良いものもありますので、しっかり確認してから使うことが必要です。

注意書きをよく読み、他の用途には使わない

どのような除菌スプレーにも言えることですが、まずは注意書きをしっかりと読み、他の用途には使わないよう気をつけましょう。保管するときは子供の手の届くところにはおかず、高温や直射日光を避けてください。また、開封後の使用期限が記載されている場合は期限を守って使用しましょう。

除菌スプレーを上手に活用し、インフルエンザやノロウイルスなど感染症の季節も快適に過ごしましょう。

参考文献

  1. [1]森 健. みんなの消毒薬 第1版. 南山堂2013;2-12
  2. [2]社団法人 日本二酸化塩素工業会. "二酸化塩素とは?" 社団法人 日本二酸化塩素工業会. http://chlorinedioxide.or.jp/clo2(参照2018-03-13)

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