感染症とは
2018.03.26

感染症はどこから?感染経路の種類と予防対策

感染症を引き起こす原因となるウイルスや細菌などの病原体は、どこからきてどのように感染するのでしょうか。この感染経路を知ることで、感染症の予防・対策が行いやすくなります。感染経路の種類と対策をみていきましょう。

私たちの身近にはインフルエンザやノロウイルス、破傷風、性病などさまざまな感染症があり、集団生活や人の多いところへの外出、他の人との接触などによって感染するリスクが高まります。感染症を防ぐためには、細菌やウイルスなどの病原体がどこからどのように侵入するのかを知り、予防対策を行うことが大切です。ここでは主な感染経路とその予防対策方法について、わかりやすく解説していきます。

感染経路の種類と代表的な病気

感染症とは、細菌やウイルス、真菌(カビ)など、なんらかの病原体が身体に侵入したり定着し、増殖することで引き起こされる病気です。すでにその病気に感染している人が触れたものや唾液などから感染することが多く、おもな感染経路として以下のようなものがあります[1]。

接触感染

皮膚や粘膜、傷口の直接的な接触によって感染するほか、菌のついた手で触れたドアノブやつり革、手すり、タオルを共用することなどで感染します。乳幼児や高齢者は、保育所や介護施設などで体液や唾液、排泄物などが付着しているものが口に入り感染することも考えられます。

代表的な感染症
直接接触:淋病、梅毒、破傷風など
間接接触:インフルエンザ、プール熱など

飛沫感染

くしゃみや咳をしたときに、口から病原体が含まれた小さな水滴が飛んで、それを吸い込むことで感染することをいいます。その小さな水滴のことを飛沫と呼び、飛沫感染する病気のほとんどが呼吸器系に感染を起こす病気です。口から出る飛沫の大きさはさまざまですが、飛び散る範囲は約1.5m以内、2m以上離れていればまず感染することはないといわれています[1]。

代表的な感染症
かぜ、風疹、マイコプラズマ肺炎、インフルエンザ、おたふくかぜなど

空気感染

大きさが0.2mm以下の小さな飛沫は床に落ちず感染性を保ったまま空気中に漂います。それを吸い込んで感染するのが空気感染です。先程、飛沫感染の場合は患者から2m以上離れていれば感染することはまずないと述べましたが、空気感染には距離は関係ありません。電車やバス、お店や施設の中などに感染者がいれば、空気感染は発生します。

代表的な感染症
結核や麻疹(はしか)、水ぼうそうなど

母子感染

母親に感染した病原体が、妊娠・分娩(出産)・授乳を通して赤ちゃんに感染することがあり、これを母子感染といいます。母子感染には以下のパターンがあります。

  • 胎内感染(妊娠中):風疹、梅毒、トキソプラズマなど
  • 産道感染(出産時):淋病、クラミジア、カンジダなど
  • 経母乳感染(授乳時):HTLV−1、サイトメガロウイルス(CMV)など

感染経路は「この感染症はこの経路」と限定されるわけではなく、複数のルートで感染することがあります。例えばインフルエンザであれば感染者のくしゃみや咳(飛沫感染)、感染者の手指が触れたつり革やドアノブ(接触感染)、感染者と同じ室内にいることで感染(空気感染)といった経路があげられます。ノロウイルスは接触感染、飛沫感染、経口感染が経路となります。複数のルートが考えられるということを覚えておくことで予防しやすくなります。

感染症の予防対策

それでは、感染症を予防するには何をすればよいのでしょうか。ここでは、多くの人がかかりやすいかぜや、毎年冬が近づくと気になるインフルエンザ、ノロウイルスの感染経路となる飛沫感染・接触感染の予防・対策方法をご紹介します。

接触感染

  • 手洗い・うがいを習慣化する
  • タオルの共用をしない
  • 感染者の唾液や体液がついた指で触れた可能性のあるものは洗剤やアルコール・除菌ティッシュなどで拭く

飛沫感染

  • マスクの着用
  • 感染者の飛沫が飛んだと思われる物や場所については洗剤やアルコール・除菌ティッシュなどで除菌・消毒を行う
  • 感染者が外出をする場合はマスクの着用と咳エチケットを徹底させる
咳エチケットについて
咳やくしゃみをするときは、ティッシュで口と鼻をおさえ、他の人から顔をそらす。
使ったティッシュは、その辺に置いておくことなく直ちにゴミ箱に捨て、可能であれば口を縛る
咳やくしゃみ等の症状のある人は必ずマスクを着ける
咳やくしゃみをおさえた手、鼻をかんだ手は直ちに洗う

そのほか、ときどき部屋の換気をすることも予防策となります。空気中のウイルスや細菌の除去については『空間除菌の効果・仕組み』をご覧ください。

また、ドラッグストアや薬局には、自宅で使える除菌・消毒用品や携帯に便利な除菌ティッシュ、スプレー、マスクなどが販売されていますので、ライフスタイルに合わせて活用するとよいでしょう。

除菌方法について、詳しくは『感染症を予防する除菌方法|殺菌・滅菌・抗菌との違い』をご覧ください。

消毒方法については『感染症を予防する消毒方法|アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなど消毒薬の効果』をご覧ください。

予防接種による対策

感染症の予防策としては予防接種が有効です。ただし、予防接種で感染を100%予防できるわけではありません。予防接種の種類によって、接種を推奨される年齢や時期が異なります。詳しくは『予防接種の種類・スケジュール』をご覧ください。

赤ちゃんの予防接種については『赤ちゃんの予防接種|種類・スケジュール』をご覧ください。

参考文献

  1. [1]全国保育協議会. "施設内での主な感染症と感染経路" 全国保育協議会. http://www.zenhokyo.gr.jp/influenza/01.pdf(参照2018-03-15)

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