感染症とは
2018.03.26

感染症にはどんな種類があるの?どんな症状が出る?

感染症にはさまざまな種類があります。年代問わず感染しやすいものから、赤ちゃん、妊婦さん、高齢者が気をつけたい感染症やクラミジア、梅毒などの性感染症などについて、どのように感染するかや症状・治療・予防法を紹介します。

ひとことで「感染症」といっても、その種類は様々であり、どういう人がかかりやすいかもそれぞれ特徴があります。例えば、かぜは年代問わずかかる人の多い病気ですが、手足口病やおたふくかぜは小児に多くみられる病気です。ここでは、どういう人が特に気をつけたいかを軸に感染症の種類を解説していきます。

感染症にはどんな種類がある?どんな人が気をつけるべき?

どういう人がかかりやすいか、気をつけた方がいいのかに分けて、代表的な感染症の種類をいくつかあげて原因となるウイルスや感染経路、どのような症状が起こるか紹介します。

年代問わずかかりやすい感染症

かぜ
かぜを引き起こすウイルスはいろいろいますが、RSウイルスやアデノウイルスなどは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。かぜはおもにせきやくしゃみなどの飛沫感染かウイルスに触れた手や指などから接触感染し、鼻水、鼻づまり、咽頭痛、発熱、頭痛、全身のだるさなどの症状があらわれます。
かぜの場合、予防接種はありませんが、ほとんどが自宅療養で自然に治ります。症状がつらいときは、症状に応じた薬を服用して緩和します。
インフルエンザ
インフルエンザウイルスが飛沫感染か接触感染によって体内に侵入し、38℃以上の発熱、頭痛、全身のだるさ、筋肉や関節の痛みが急速にあらわれ、のどの痛み、せき、鼻汁などの症状もみられます。
インフルエンザは予防接種を受けることができます。毎年ウイルスの性質が変わっているので毎年受けておくことが大切です。
発症して病院でインフルエンザと診断されたときは、タミフルやリレンザといった抗インフルエンザ薬が処方されます。
ノロウイルス感染症
ノロウイルスに汚染された牡蠣を生で食べたり、感染した人の吐物やふん便が乾燥して空気中に舞い上がり、それを吸い込んでしまうことで感染します。主な症状は吐き気、嘔吐、下痢ですが、腹痛や発熱、頭痛、筋肉の痛み、さむけ、のどの痛み、だるさなどがみられることもあります。感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。
ノロウイルスの予防接種や治療薬はありませんが、整腸剤や痛み止めなどで対処し、通常は1日~2日で治ることがほとんどです。

赤ちゃんや小児がかかりやすい感染症

麻疹(はしか)
麻疹ウイルスは飛沫や接触、または飛沫から水分が蒸発した「飛沫核」が空気中を漂ってそれを吸い込むことで感染し、10日~12日後に38 ℃前後の発熱が数日間続き、咳、鼻水、目の充血といった症状が出ます。その後一時的に熱が少し下がりますが、再び39℃以上の高熱があらわれ、発疹が頭部から始まって徐々に全身に広がっていきます。
麻疹そのものの治療薬などはなく対症療法が中心となります。また、手洗いやマスクで予防できず、予防接種(麻疹・風疹混合ワクチン)を受けることが重要なため、1歳頃と小学校入学前の2回ワクチンを接種します。
風疹(ふうしん)
風疹ウイルスが飛沫によって感染し、約2~3週間後に発熱や発疹、耳の後ろや後頭部、首の付け根当たりのリンパ節が腫れるなどの症状があらわれれます。子どもの場合、風疹にかかっても症状は比較的軽く済むことがおおいとされています。
有効な予防法は予防接種であり、麻疹・風疹混合ワクチンを1歳頃と小学校入学前の2回接種します。風疹にかかったときは、発熱や関節の痛みに解熱鎮痛剤を使用するなどの対症療法を行いますが、基本的には良好な経過を辿ります。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
3~6歳の子どもがかかることの多い感染症です。ムンプスウイルスが飛沫や接触によって感染し、片側あるいは両側の耳下腺(耳の下の唾液腺)の腫れ、ものを飲み込んだりしたときの痛み、発熱を伴います。
治療薬はなく症状に応じた対症療法となりますが、通常は1~2週間程度で自然に軽快します。
おたふくかぜの予防接種は任意ですが、最も有効な予防方法です。
水ぼうそう(水痘)
水痘・帯状疱疹ウイルスが飛沫・接触・空気感染で広がります。子どもの場合は比較的症状が軽く、全身にかゆみをともなう発疹が出ます。発疹は赤い斑点が徐々に盛り上がり、水ぶくれ状(水疱)を経て約7日~10日程度でかさぶたになり、治癒します。そのほかの症状としてはだるさや38度前後の発熱が2〜3日間続く程度です。
治療薬はないため、発熱に対する解熱鎮痛薬の内服やかゆみに対する外用薬などの対症療法となります
水ぼうそうは定期予防接種があり、その対象は1歳の誕生日前日から3歳の誕生日前日までの小児です。2回受けることになっており、1回目は生後12ヶ月~15ヶ月の間、2回目は1回目の接種から3ヶ月以上経過してから行うこととなっています。

なお、赤ちゃんの予防接種の種類、スケジュールを詳しく知りたい方は『赤ちゃんの予防接種|種類・スケジュール』をご覧ください。

手足口病・ヘルパンギーナ
手足口病は4歳位まで、ヘルパンギーナは5歳以下の幼児を中心に夏季に流行し、おもに飛沫や接触によって感染します。
手足口病は口の中、手のひら、足底や足背などに水ぶくれ状の発疹が出ます。発熱もみられますが、あまり高くならないことがほとんどであり、高熱が続くことは通常はありません。数日間のうちに治る病気です。
ヘルパンギーナの症状は、突然の38~40℃の発熱が1~3日間続き、全身のだるさ、食欲不振、のどの痛み、嘔吐、腕や脚の痛みなどです。口の中にのみ水ぶくれ状の発疹があらわれます。
手足口病もヘルパンギーナも予防接種や治療薬はありませんが、どちらも基本的には自然に治ります。まれに合併症を起こすことがあるので症状の変化には注意しましょう。
プール熱
夏に流行が見られる感染症で、アデノウイルスが飛沫や接触で感染するが、プールを介して接触感染することが多いためプール熱と呼ばれます。発熱(38~39度)、頭痛、食欲不振、のどの痛み、結膜炎といった症状が3~5日間程続きます。
学童の場合は症状がなくなった後2日を経過するまで出席停止とされています。
予防接種はありませんが、手洗いやうがいでの予防が有効です。特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法となります。
O-157
腸管出血性大腸菌O157に汚染された食品を通じて感染します。全く症状がないものから軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、水のような便が頻繁に出たり、激しい腹痛、血便などの症状が出たりすることもあります。まれに溶血性尿毒症症候群(HUS)や急性脳症といった合併症を起こす場合もあります。
予防接種はなく、食品の十分な加熱や手洗い・手指の消毒が基本の予防となります。治療法は抗菌薬の内服、下痢の症状については安静や水分補給、消化しやすい食事の摂取をすすめます。

妊婦が気をつけるべき感染症

妊婦さんは、風疹、麻疹、おたふくかぜ、水ぼうそう、トキソプラズマ症、梅毒、性器クラミジア感染症などに特に注意が必要とされています。母親が感染することで胎児に感染してしまったり、早産や流産につながる可能性があります。妊娠中は風疹、麻疹、おたふくかぜ、水ぼうそうのワクチンの接種ができないため、妊娠前にワクチン接種を済ませておくようにしましょう。

高齢者は肺炎球菌性肺炎に注意

肺炎球菌という細菌によって引き起こされ、日本人の約3~5%の高齢者では鼻やのどの奥に菌が常在しているとされ、飛沫感染することで、気管支炎、肺炎、敗血症などの合併症を起こすことがあります。治療としては主にペニシリン系の抗菌薬が使われますが、近年はこの抗菌薬に耐性を持ったペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP)が増えており、感染を予防することが重要です。65歳以上の高齢者には肺炎球菌のワクチン接種が推奨されおり、定期接種として受けることができます。

肺炎球菌性肺炎の予防接種について詳しくは『予防接種の種類・スケジュール』をご覧ください。

カップル・夫婦は性感染症に注意

近年、性行為を通じて接触感染する性感染症の注目度が上がっています。特に女性の場合は、症状が出にくいことから自覚せずに感染を拡大してしまったり、不妊につながったりすることがあるため、注意が必要です。

性器クラミジア感染症・淋病(淋菌感染症)
性器クラミジア感染症はクラミジア・トラコマチスという細菌によって起き、日本では性感染症の中で最も多い病気です。淋病(淋菌感染症)は淋菌によって起きる感染症です。
男性では、尿道の不快感、排尿時の痛み、かゆみなどがあらわれます。女性では、黄色や黄緑色っぽい粘り気のあるおりものが出たり、排尿時に痛みが起きたりしますが、自覚症状が出にくいことが多い病気です。
治療には抗菌薬を使用します。再感染を防ぐために自分だけでなくパートナーと一緒に検査・治療を行うことが大切です。
梅毒
梅毒トレポネーマという細菌によって起きる感染症で、初期は、感染がおきた部位である陰部、口唇部、口腔内、肛門などにしこりができたり、股の付け根の部分のリンパ節が腫れたりすることもあります。また、痛みがないこともあります。
治療をしないで3か月以上を経過すると、病原菌が全身に運ばれ、手のひら、足の裏、体全体にバラ疹と呼ばれるうっすらと赤い発疹が出ることがあります。
早期に抗菌薬による治療をすることで完治が可能です。
エイズ
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって起こる感染症で、性行為による感染のほか、母子感染や輸血など血液による感染があります。
ウイルスの侵攻を抑えるからだの防御機能(免疫)に大切な細胞が体の中から徐々に減っていき、日頃かかることのない様々な病気にかかりやすくなり、悪性腫瘍やHIV脳症などを発症します。
根本的な治療薬はなく、発症を遅らせたり症状をコントロールするための抗HIV薬を使用します。

性感染症には予防のためのワクチンはありません。感染リスクを下げる方法としてはコンドームの使用が有効です。

旅行を計画している時は旅行先の感染症情報をチェック

特に海外旅行を検討している人は、旅行先の感染症に関する情報を事前に調べておきましょう。旅先の地域によっては流行している感染症情報や、渡航前に予防接種を受けておいた方がいいワクチンを厚生労働省検疫所のホームページ等でチェックできるので、活用しましょう。

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